茶を飲む。
茶の始まりは中国で、伝説の存在で本草学の始祖である神農が発見したとされる。その後、漢代の『神農本草経』などに茶についての記載が見られ、日本に渡るのは唐代、遣唐使が日本に持ち帰った時である。
当時は薬として用いられていた茶だが、次第に嗜好品として飲用されるようになり、宋代には富裕市民へ、明代には一般市民へと広がっていく。
茶器や茶葉は清代にはほぼ現代と同等の物が用いられるようになるが、中国本土では毛沢東による文化大革命で茶が贅沢品として栽培も制限され、以降は台湾・香港が中国茶文化の中心となった。
そして現代、日本の一般大学生の手元にも台湾茶の茶葉が届く素晴らしい時代になったわけである。
というわけで、今日飲むのはこれ。
のすけさんから誕生日プレゼントで貰った凍頂四季春である。
四季春については以前飲んだので茶葉そのものについてはそちらを参考にしてもらいたい。
今回は産地についてでも話そうかな。
「凍頂烏龍茶」っていう名前自体はよく見ると思うけど、この「凍頂」は地名で、台湾中部にある凍頂山のことです。元々はこの山の麓、南投県鹿谷郷で栽培される茶葉を凍頂烏龍茶と呼びました。
なんで過去形なのかと言いますと、今は台湾各地で凍頂烏龍茶が生産されてるんですよね。現代の凍頂烏龍茶は「凍頂式で生産された烏龍茶」という表現が正しいと思います。
というのも、高山茶(1000m以上で栽培される茶)が流行するにつれ中海抜(800m)の鹿谷郷の優位性が薄れたため、鹿谷での茶葉生産は殆どされなくなってしまったんですね。
ですが、産地が移っても製茶の技術が高い鹿谷郷の茶師が台湾各地の産地(梨山、阿里山など)で活躍しているんです。
それによって凍頂式(=鹿谷式)の製法を用いた茶葉が台湾各地で「凍頂烏龍茶」と呼ばれるようになった。これが現代の凍頂烏龍茶なんですね。
なんて書いてたら淹れ終わりました。
そうそう、この黄金色。これですよね~~。
うん美味しい。のすけさん、改めてありがとうございます!